ヘルシーなマグロ
マグロは美味しいだけではなく、健康にもヘルシーな食品です。 そんなマグロに含まれる栄養素について紹介いたします。
栄養学的な観点からのマグロの栄養について
生鮮食品の中でたんぱく質の含有量が多いのは魚肉です。鳥のささ身は脂肪が少なく、たんぱく質の含有量が多いですが、魚肉はそれよりさらにたんぱく質の含有量が多く、マグロの赤身には、100gあたり平均26gのたんぱく質が含まれています。このことからも、マグロの赤身は高たんぱく、低カロリーの健康食といえます。
さらに魚のたんぱく質は栄養素として優秀なだけでなく、高血圧が改善され、脳卒中になりにくいという実験結果があります。 またマグロの血合肉中には高血圧の予防効果のあるタウリンも含まれています。さらにタウリンにはコレステロールの代謝促進や肝臓強化に優れた効果を発揮します。またタウリンには交感神経の高ぶりを抑える作用もあります。
マグロ類に含まれる不飽和脂肪酸について
マグロの脂には、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。
DHAは血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす動きがあります。また脳の神経機能を高めて、脳の老化を予防する働きもあります。
記憶力や学習能力の向上、認知機能低下の予防に役立つとされています。
EPAは血小板の凝固を防ぐ働きや血栓を溶かす働き、血液中の中性脂肪を減らし、血液をサラサラにして流れを良くします。 血流を促進する働きで、脳血栓や脳梗塞の予防、また高脂血症や高血圧の改善に役立つといわれています。
これらの脂質はトロなどの脂身に主に含まれています。また目玉の後ろ側にはたくさんの脂身がついており、このため「マグロの目玉を食べると頭が良くなる」とされ、商品としても販売されています。
参考文献:鈴木たね子・大野智子[著]『おさかな栄養学』成山堂書店(2004)、 中野秀樹・岡雅一[著]『マグロのふしぎがわかる本』築地書店(2010)